応用情報技術者試験合格体験記

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なぜ応用情報技術者試験を受けたか

応用情報技術者試験 (AP) を受けようという考えは突然起こりました。

私は実のところ基本情報技術者もITパスポートも持っていません。それがどうして急に応用情報技術者試験を受けることにしたかというと,目当ては情報処理安全確保支援士 (SC, セキュスペ) の試験一部免除です。

応用情報処理技術者試験に合格すると,セキュスペの午前 I 試験は免除されます。朝 9:30 開始が 10:50 開始になるのですから,これは大変な違いです!

もちろん,自分の知識が腐っていないかを確認したいという考えもありました。しばらく技術を離れていたので,すっかり忘れてしまっている可能性も大いにあります。応用情報をサクッと取れれば,ある程度は大丈夫でしょう。

対策

概要

あらかじめ書いておくと,私の勉強時間は正直なところ 2 時間くらいです。そのうち対策しようと思ってそのまま試験日を迎えてしまうというアレです......

したがって,以下に述べる“対策”はあまり信用できないかもしれません。あくまでも一事例として参考にしてください。

テキスト

書店でじっくりと読み比べた上で,テキストは翔泳社の『情報処理教科書 応用情報技術者 テキスト&問題集 2021年版』を購入しました。

理由は以下のとおりです。

  1. 午前・午後両方の過去問・解答が16回分付属する

特典として過去問・解答の PDF ファイルがダウンロードで手に入ります。他のテキストでは午前のみであったり,専用ウェブサイトのみというものもあるなか,このテキストでは午前・午後の設問および解答の PDF ファイルをダウンロードできるため,大変便利です。しかも午後は解答例のみならず簡潔でわかりやすい解説まで付いており,対策の難しいとされる午後もこれ一冊で対応できます(むしろ午後試験の解説がこのテキストの本体かもしれません)。とにかくコストパフォーマンス最高です。

  1. 体裁が読みやすい

資格試験対策の世界には熾烈な競争があり,「わかりやすさ」を求めるあまり,フルカラーや挿絵入り,会話文体などあさっての方向に進んでいるものも少なくありません。その点このテキストは,二色刷り・必要な図表のみ掲載という硬派な体裁です。専門書に慣れた人間にとっては,こっちのほうがずっと読みやすいでしょう。また無理に薄くしようとしていないため,文章も自然です。それでいて詳しい解説や頻出問題のフォローは欄外に切り分けられているため,スピード感を持って学習できます。

  1. もちろん内容もよい

資格試験の目的はあくまで合格ですので,出題頻度に応じて内容をカットする必要があります。その結果,表現が不正確になっていたり,かえって理解しにくくなっていたりする場合があります。いやほんと,出版社から出て書店に並んでいるような本でもツッコミを入れたくなる記述はけっこう見かけるんですよ。その点このテキストは一貫性があってバランスの良い記述になっており,自然に理解できます。しかしながら,頭から丸暗記するような受験勉強が好きという方には無駄が多いかも知れません。また,基礎理論の解説は薄いため,ある程度の前提知識は必須です。

なお,他のテキストも同じことですが,テキストで説明されている内容自体は午前試験程度です。ダウンロードできる午後試験の解説を理解する基礎にはなりますが,ただテキストを読むだけでは午後試験対策にはなりません。かならず午後試験の解説にも目を通しておきましょう。

知識として頭の中にあっても,出題者が求める形で出力できなければ合格には結びつきません。そのギャップを埋める一冊として,習熟度や専門にかかわらず今すぐ購入してよい優れたテキストだと思います。結局あんまり読まずに本番に突入してしまいましたが,苦手分野を確認できた上に過去問もチェックしておけたので買った価値はありました。

ウェブサイト

午前問題については,以下のサイトで無料・登録不要で対策することができます。

直近 3 年間くらいを指定して取り組んでおきましょう。後述する通り,午前はだいたい過去問どおりの問題が出るので,直前の悪あがきだけでもかなりの差が出ます。

試験所感

朝試験

概要

朝試験は情報技術者試験の中で最難関とも言われる試験であり,歴戦の精鋭であってもこの朝試験に落ちて不合格に甘んじる人は少なくありません。

そんな試験あったっけ? という方,良い指摘です。そんな試験はありません。試験への出席のことです。

朝がけっこう早く,辺鄙な試験会場が多いので,朝起きられずに脱落する人も少なくありません。

なお私は応用情報技術者試験を受験したことは今までありませんでしたが,申し込んだことはありました。結果は朝試験落ちです。

午前試験 〜過去問そのまま〜

概要

午前試験は四択式です。先述の通り対策しやすいですが,合格点さえ超えられればよいので,力の注ぎすぎにも注意が必要かもしれません。通常,合否を分けるのは午後試験です。

実際に受けてみて驚いたのですが,午前は本当に過去問そのまんまが出ます。しっかり過去問対策しておけば心配は無用でしょう。

逆に,ノー勉だと意外と手強いです。午前の対策は行きの電車の中で 20 分くらい眺めた過去問くらいでしたが,10 問以上的中しました。たぶん大丈夫だろうと高をくくっていましたが,知らない知識問題も多かったので,あの 20 分がなければ午前落ちしていた可能性もなくはありません。

テクノロジ系

配点は 62.50 点です。

試験範囲は広範に渡りますが,頻出問題はある程度決まっています。とはいえ,分野の偏りで思ったほど点数が伸びない場合も考えられますので,ストラテジ系・マネジメント系も対策しておく必要があります。

ストラテジ系・マネジメント系

配点はそれぞれ 25.00 点,12.50 点です。

毎回恒例のような出題がテクノロジ系より更に多いので,対策は難しくありません。私も意外にも(?)こちらのほうが得点率は上でした。ただ,重箱の隅をつつくような問題も多いため,得点源としてはあまり安定しないでしょう。

午後試験 〜素直に解け〜

概要

午後試験は記述式および多肢選択式です。過去問対策が全ての午前とは対照的に,午後は対策しにくいと言われているようです。たしかにテキストでは対策しにくそうですが,素直な問題が多いので,午後も過去問を解き続ければ対策になるのではないかと思います。

午後問題で特徴的なのは何かの修行のような計算問題です。普通は関数電卓なり概算なりで済ますような数字について,小数点以下何桁かまでの正確な値を手計算することを求められます。幸い時間はたっぷりあるため暗算力は試されません。しかし,コンピュータに依存して手書きスキルが退化しきった者にとっては試練となります。久しぶりに手計算してみたら,字が汚すぎて桁がごっちゃになるのです。また,なんで問題にしたのかわからないような何の変哲もない数値を自分を信じて小数点以下数位まで計算し切る精神力を求められます。これに気づいたのは過去問の解説に目を通しておいたおかげです。

また,「理論的にはこうだけど,現実には......」というような気持ちは封印しなければなりません。ここAPワールドではすべてが理論通りに動いています。おそらく引っ掛け問題は出ないでしょう。逆に,余計な先入観があると解答の妨げになります。とにかく虚心で解き進めましょう。このことも,予め知らなければ疑心暗鬼に陥って,合格は難しかったかも知れません。

なお,計画では2・3問はストラテジ系・マネジメント系を選択するつもりだったのですが,実際に問題を見てみるとテクノロジ系のほうが自信があり,結局全問テクノロジ系選択となりました。ちょっとショックでもありますが,広範な技術知識があると良い方に取っておきましょう。

情報セキュリティ(必須)

テーマは「DNS のセキュリティ対策」でした。

セキュリティのなかではあまり詳しい分野ではなく,ここで差を付けておく目論見は外れましたが,それなりに対応しました。

システムアーキテクチャ

テーマは「IoT を活用した駐車場管理システム」でした。

LPWA だとか MQTT だとか組込みっぽいことを言われて面食らいましたが,問題文が詳しいのでよく読めばだいたい対応できました。例の計算があり,心を無にして取り組みました。過去問それ自体はそれほど役に立ちませんでしたが,心構えができていたので覚悟を決めて取り組むことができました。

ネットワーク

テーマは「チャット機能の開発」でした。

あんまり知らない WebSocket が出てきて一瞬呆然としましたが,よく見たらさほど仕様に踏み込んではいないので心を無にして取りかかりました(またか)。

問題は非常にオーソドックスでした。たとえば自宅サーバを運用した経験があれば楽勝でしょう。ネットワークのことを考えるのは楽しいです。

組込みシステム開発

テーマは「ディジタル補聴器の設計」でした。

最初はこれを選ぶつもりは全くありませんでしたが,プログラミングもデータベースもいまいち自信のない問題だったところ,組込みの問題を読んでみると妙に簡単だったのでこっちにしました。テーマが補聴器でハードウェアの特殊な知識を問われなかったのも幸運でした。Arduino の経験が活きた......かもしれません。

情報システム開発

テーマは「クーポン券発行システムの設計」でした。

処理の時間や順番を考える問題であり,全く楽しくはありませんでしたが,淡々と考えていけば解ける感じでした。例の計算はここにもありました。

なお,この問題で「コンテキストスイッチ」をど忘れして誤答しました。そのちょっと後,帰りの電車の中で突然思い出したので悔しいこと悔しいこと。でも,これでもう忘れないことでしょう。

おわりに

ちなみに情報処理安全確保支援士試験ですが,秋の出願を忘れてました。試験は出願前から始まっている......!

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