Vine Linux のこと

  • 記録
Share:

Vine Linux リリース版の提供終了

昨日,Vine Linux リリース版の提供終了がアナウンスされました。以降も開発版の VineSeed は継続するとのことですが,ひとつの区切りが付くことになります。

このことに特に驚きはありません。Vine Linux は 2017 年ごろには既に開発が停止しており,2018 年 1 月には予定されていたサポート期限を迎えました。VineSeed ではいくらか動きがあったものの,リリース版に降りてくることはありませんでした。その結果,リリース版イメージの配布は継続されつつも,実質的に放棄されたプロジェクトとなっていました。もちろんセキュリティ上も致命的な問題があり,そのようなイメージが説明なく配布され続けていることは,私にとっては,歴史的な文脈でさえ Vine Linux への言及をためらわせる理由となっていました。今回のアナウンスで,ようやくこうした状態が解消されることになります。

Vine Linux はもともと Red Hat Linux(当時)の日本語化からスタートしたプロジェクトで,グローバルなディストリビューションがまだ満足な多言語化をできていなかった時期から,高度な日本語環境を提供したことで人気を集めました。日本語対応以外にも,Red Hat 系のディストリビューションながらパッケージ管理に APT を採用しているという特徴があり,Red Hat 系のシェアが高かった当時は,APT で Red Hat 系システムを利用できるというのは注目に値する点でした。私自身は Vine Linux の全盛期よりも後の世代ですが,日本語環境込みで非常に軽量であったことから Vine Linux もよく使っていました。GNU/Linux 日本語環境のパイオニアであることから後に与えた影響は小さくなく,たとえば Vine Linux 標準フォントとして開発された VL ゴシックは今も広く使われています。

Vine Linux は大きな歴史的意義を果たしました。Vine Linux リリース版の提供が終了しても,その功績は残り続けます。

VineSeed を試そうとして失敗したメモ

VineSeed は継続されるとのことで,VineSeed を試してみることにしました(結果から言うと,さしあたり断念しました)。以下はそのメモです。

VineSeed のインストールイメージは配布されておらず,まず安定版をインストールしたうえでレポジトリを変更することで VineSeed にアップグレードします。この作業については Vine Linux ウェブサイトに手順が掲載されています。

サンプルが Vine Linux 5.1 となっているなど内容が古い気がしますが,サイトには他にこれに類する文書へのリンクは見当たらず,おそらく現在もこの手順で問題ないのだと思います。

6.5 では apt から apt-get が参照されるようになっているようなのでこれに統一する以外は,掲載されている手順に従うものとしました。

Vine Linux 6.5 インストール画面

VM に Vine Linux 6.5 のインストールイメージを読み込んで起動します。懐かしい画面です。

Vine Linux 6.5 インストール画面 言語選択

言語は英語と日本語のみ。

Vine Linux 6.5 インストール画面 構成選択

構成は用途別のプリセットから選べます。今回は「ベースシステム」を選択します。

Vine Linux 6.5 インストール画面 パッケージ選択

インストールはすぐに終了しました。この 6.5 環境のレポジトリを変更することで VineSeed 環境になります。

VineSeed apt install apt libxml2

「構築要領」によると,レポジトリ変更・update 後はまず apt と libxml2 を更新せよとのこと。しかし,依存関係のエラーが出てしまいました。もちろん,明示的に要求してもますますこじれるだけでした。手順通りのアップグレードには早速失敗したことになります。

VineSeed apt dist-upgrade

どうせ VM なので今度はいきなり dist-upgrade を試してみたところ,やはり依存関係のエラーが出ました。

VineSeed apt install nash udev module-init-tools db4-utils

ただバージョンは合っているように見えるので明示的に指定したところ,プロセスの開始にはたどり着きました。依存関係の設定がガタガタであることが既にわかっているので嫌な予感しかしませんが,せっかくなので「Yes, do as I say!」と言ってみます。

VineSeed upgrade

約束された敗北。念のため強制再起動もしてみたところ,ブートはするもののログインできなくなっていました。

VineSeed apt-get --version

なお,APT-RPM は 2008 年で開発が停止しており,Vine Linux 6.5 で採用されているのも当時のバージョンです。Vine Linux の今後についてはいろいろと構想されているところのようですが,現在のコードベースや基本設計を維持する前提であれば,困難を伴うことになるのではないかと想像します。

コメントを残す

投稿にあたり,完全な IP アドレスが保存されます(公開されません)。

コメントはスパムフィルタで処理され,承認後に公開されます。