「独自ドメインでない」ことが信用に繋がる時代へ?

  • 判断

ここ何年かで,どのようなことについて検索しても独自ドメインのサイトが上位に表示されるようになった。

かつては趣味や学術上のニッチな話題については,各種のブログであったり,今は亡き Geocities のようなレンタルサーバのドメインが上位に表示されていることが多かった。そのようなサイトはたいてい広告の掲載も制限されていて,「教えたい」あるいは「備忘録として残しておきたい」といった動機だけに基づいて書かれた,中身が詰まって良質な情報が多かった。

言うまでもなく,これも唯一にして絶対の神 Google 様の思し召しに基づく変化である。Google 様は広告の神であり,広告が消費行動に直結するような人に好まれるように作られたサイトに微笑まれる。

もちろん需要の変化もまた一因であろう。しかしその原因として大きいのはスマートフォンの普及である。スマートフォンは消費に特化したデバイスであり,コンテンツを生み出すことには適さない。しかも,画面の小ささから,消費にあたって多くの情報をみずから判断することもできない。これこそ,神がスマートフォンの普及のために多大な投資をした理由であり,哀れな羊たちを教え導くために,自分で判断しようというような邪悪な試みは事前に挫く必要があったのだ。そして世は神の望まれたとおりになった。

ともあれ,Adsense の貼られていない多種多様なサイトが人気を集めるようなことは神意に沿わないものであり,コストがかからない無料サービスのサイトよりも広告でコストを回収したくなる独自ドメインのサイトを,専門的で濃いサイトよりも中身がなくてキーワードばかりが繰り返された文章だけ長いサイトをあからさまに優遇されるようになったのである。

しかしこのような神の怒りを前にしても,一部の悪魔崇拝者はなお抵抗をやめない。事実,彼らはブラウザ拡張機能でコピペブログや「いかがでしたか」サイトを検索から取り除こうとするなどの巨悪に手を染めているのだ。これは人が神の業に介入することであり,フィルタバブルの教理に対するあからさまな反抗である。

かくして神はさらに怒り,検索結果ページの「創造」を進める。果てしなく慈悲深い神は愚か者どもの声を容れて撤回なされたが,最近ではリスティング広告が検索結果と見分けがつきにくくされた。これも,広告を避ける愚かな悪魔崇拝者を広告クリックへと誘うための神の哀れみであった。

神はその無限の力をもって次の一手を打たれることであろう。悪にひた走る悪魔崇拝者どもが「もうこうなったら独自ドメインのサイト自体全部ブロックしよう」という結論に至るのも遠い日のことではないだろう。ああ,悲惨なことだ。自分で考えようとする愚かさは捨てねばならない。全知全能なる Google 神に従ってただ消費するべきであるし,広告に騙されたと気づくだけの知能があれば自分も広告を貼って回収するべきである。神はそのように望まれている。

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