セキュリティ・プライバシ重視のオンラインストレージ3つ

  • 検討

Nextcloud は素晴らしい,けど

数年前から Dropbox に代わって Nextcloud を愛用しているが,自前でのホスティングはそれなりに面倒である。無料のホスティングサービスもあるが,個人向けサービスを提供している事業者はあまりに小規模であるため,セキュリティ面で疑問のあるプロバイダも多い(それに簡単に気付けるのも自由ソフトウェアである Nextcloud の素晴らしいところであるが)。

というわけで,ユーザが多いプロプライエタリプラットフォームのホスティングサービスも検討してみたい。

セキュリティとプライバシを重視するオンラインストレージサービス

セキュリティの高さとプライバシの保護を謳っていないオンラインストレージサービスはないが,納得できる説明をしているところはほとんどない。

以下では,GDPR 対応であり,採用しているテクノロジや制度(なぜセキュアでプライベートであるのか)が説明されており,かつ既にある程度広く使われているサービスを取り上げる。
ただし,GDPR は EU 在住者の個人データについてにのみ法的拘束力を持つ規制であり,同じサービスであっても利用者の居住地によって異なる運用がされる場合もある。たとえば,Opera は EU 在住者に対しては引き続きノルウェー Opera AS が GDPR 対応の EULA を結んでいるが,日本を含むそれ以外の在住者に対してはシンガポール Opera Unite Pte. Ltd. が GDPR に対応しない EULA を結んでいる。 したがって,契約条項をよく読むことが必要である。

Sync.com

  • カナダ Sync.com Inc.
  • 無料 5GB
  • エンドツーエンド暗号化(E2EE)標準対応

Sync.com は2011年サービスインと比較的古株のオンラインストレージサービスである。

利用者の評価は低くないが,これといった特長もないため決め手を欠き,あまり使われている様子がない。

ただ,サービス継続の実績があり無料で 5GB・E2EE を利用できるため,検討する価値はある。

2020/02/10追記:クライアントインストールで容量が 1GB が増えるキャンペーンが(おそらく継続的に)行われており,実際には 6GB 利用できる。

Toresorit

  • ハンガリー/スイス Tresorit AG
  • 無料 3GB
  • 無料では2デバイスまで
  • Linux を含む様々なプラットフォームへの対応
  • E2EE 標準対応

Toresorit はハンガリー(2004年 EU 加盟)/スイスのオンラインストレージサービスで,GDPR に服する。個人向けに無料プランもあるが,制限は厳しめ。Dropbox 代替というより Box 代替で,法人ユーザ向けにフォーカスしているらしい。

個人利用では,他の2つに見劣りする印象は否めない。長所は,Linux 対応のベータ版クライアントが開発されたことくらいか。

pCloud

  • ブルガリア/スイス pCloud AG
  • 安価な永続ライセンスあり
  • FUSE でマウントして使える
  • 無料 10GB
  • Linux を含む様々なプラットフォームへの対応
  • E2EE は別料金

pCloud はブルガリア(2007年 EU 加盟)からスイスへ移転したホスティング事業者で,無料プランでも 10GB の容量と,大手事業者並である。話題になるようになったのはここ数年だが,事業自体は2013年に開始しているらしい(サービスインはもっと後なのかもしれない)。最近黒字化に成功したとのことで,事業の継続性・独立性にも期待ができる。

2020/01/10追記:容量について,実際に使ってみたところ,2GB からでクライアントのインストールや自動アップロードの有効下などの作業を通して利用可能な容量が増える方式になっていた。紹介による容量増を除けば最大7GBであり,6GB の Sync.com と大差ない。

ユニークなのは,一度買えばずっと使える Lifetime Plan(生涯プラン=永続ライセンス)の存在で,5年くらいサービスが続くとすれば格安の価格設定になっている。そもそも pCloud の月額料金自体が安めなことを考えると,なかなかお得感がある。これくらい勢いがつくと出資も得やすく簡単には潰れないので,買っても損はしないと思われる。たまにセールで更に安くなるらしい。

ちなみに “Lifetime” の定義は「99年かアカウント保有者の寿命のいずれか短い方」という租界か何かのようなものとなっている。エルフや宇宙人の方は注意が必要だが,ホモ・サピエンスであれば特に気にする必要はないだろう。まあ10年も経つ前に pCloud のサービスが終了してるだろうけど

E2EE は別料金だが,個人的にはプロプライエタリソフトウェアの E2EE を一切信用していないので別にあってもなくてもよい。

Dropbox 等と違い FUSE でネットワークドライブとしてマウントして使うとのことで,操作ミスによる事故は怖いが,大容量プランでも便利に使えそうだ。

結論

とりあえず pCloud の無料プランをクライアントサイド暗号化で使ってみようと思う。

そのうち,NextCloud ホスティングプロバイダの有料プランも調べてみたい。

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